Home / IUI & Misc / IVF Diary / IVF Schedule / Cost / Link / Guest Book
<< Sep03(Day31)-Sep17(Day45) Oct03(Day61)- Oct12(Day70) >>
September 18, 2007 (Day 46)
 今朝、培養士からのメッセージがヴォイス・メールにあったので確認する。昨日の移植後、まだ残っていた3つを冷凍したそうだ。3つ?昨日もらったレポートでは8つがまだ培養中で、遅れて分割し始めた3つを除いても5つ。その5つのうちの3つしか冷凍にいたるグレードではなかったのか・・・としばしショックで呆然となる。
 数から考えると2つのグレードのいい胚盤胞移植が出来て、その上3つも冷凍できるなんて恵まれているのだろうけれど、たとえまだ単なる細胞レベルの胎芽なのだとしても、母心のようなものなのか、ダメになってしまったことが、数とは別の次元で非常に悲しい。
 事あるごとに先日移植した胚盤胞の写真を枕元において見る。他人から見たらただの細胞なのだけど、私達から見たら特別な希望に見える。今頃子宮の壁に入り込もうとしているところなのだろうか。どうかそうであってくれますように!!

 一眠りしたら大分気分も落ち着いてきた。如何せんベッドの上でゴロゴロ寝ているだけなのでラップトップでついつい妊娠・IVF関連サイトをブラウズしてしまう・・・。気分的に振り回されてしまうので程ほどにするべきなのだろうけれど。

 ちくちくとした腹痛が1日中断続的に起こる。あー、卵巣だろうか?まだまだOHSSには気をつけるべきなのだろうなあ。体重は減ったまま平行線なのだけど、体脂肪率が微妙に上がっているような・・・全くエクセサイズしていないのでこればっかりはしょうがない。
 腹痛以外には色々と済ませてほっとしたのか、食欲がとても旺盛に。
 
 昨日、ETに向かう車の中で夫とここまでこれて非常に感謝している、という話をしていた。もしダメだったときに自分を精神的に守りたいからそう思っているのかどうか、分からない。
けれど、IVF周期の半ば過ぎから、夫婦が距離的に離れていてもここまで結束して、周囲のいろいろな人の助けを借りて、よく頑張っているじゃないか、段階を一つ一つクリアしてこれたことはとてもラッキーなのだし、世の中にはそれすら適わない人も沢山いる、夫婦二人がこうして助けあって十分幸せだという気持ちを忘れたくない、と思うことが度々あった。
 こういった気持ちの余裕はIVF前には余りなかったような気がする。

 とは言っても人はやはり強欲だなあと思う。胚盤胞の写真を見てしまった今では彼らに生き残って赤ちゃんになって欲しい、という気持ちも非常に強くある。
 来週の水曜日が妊娠判定日、それまではとても長くて辛抱の1週間。

 
September 19, 2007 (Day 47)
 プロジェステロン値検査でNashvilleへ。べッドレストが終わったら即検査とは落ち着かない。
 ベッドルームからリビングに出たら別世界だった。たった2日間でこんなに散らかるとは。(夫のこの手の愚痴って伊藤園の川柳か毒蝮三太夫のAMラジオみたいですな)

 いつも採血をしてくれるナースが「皆cheatingするんだけど、しちゃだめよ、ま、すると顔に出るからすぐ分かるんだけど。」と1週間先の妊娠検査のことを笑いながら話してきた。血液検査で妊娠検査をする前に皆、市販の尿検査のスティックでやってしまうそうだ。そりゃあ待ちきれないもんなあ。
 
 今日で一旦鍼もお終い。これで本当に終わりかどうかはまだ分からないけれど、数ヶ月の間通い続けたのでやはり思うところはある。受付の顔なじみになた女性が、keep my fingers crossed (幸運を祈る)と言ってくれたのが嬉しかった。受付に何枚貼ってある赤ちゃんの写真(多分患者さんから送られたものだと思う。)を見るたびに私もあやかりたいな、とひそかに願わずにはにはいられない。
 
 今日のプロジェステロン値は65だった。非常にいい数字よ!とナースからのメッセージ。引き続きプロジェステロン注射は1ccで。
 以前IUIを受けて、やはり1週間後にプロジェステロン値が高いことがあったのだけど、何も知らなかった私達は、横に書いてある基準値が妊婦の値の範囲内だったので勝手に妊娠したのでは?と思い込んでしまったことがあった。あの「妊娠したのかも?」と思った一瞬は何とも言いがたい、光に包まれたような気持ちだった。あの感覚を又味わう日が来るのかな。

September 20, 2007 (Day 48)
 どんどんナーバス振りが深刻になってきたようだ。ETまでは、細かく自分の体の状態と卵の様子をモニターすることが出来た。又、一つ一つの段階を踏み越えていくことで安心感のようなものもあった。それが今となっては見ることも出来ない、確認することも出来ない、非常に心もとない気持ち。
 引き続きお腹が痛くなったり(引っ張られるような感じ)、何だか「それらしい」症状を感じることはあっても、今までにもそんなことは幾らでもあったし、全てぬか喜びに終わったわけで。何も知らなかった頃はいちいち「もしかしたら?」とわくわくしたものだが、もうそれにもすっかり疲れてしまった。そういえば胸の張りも以前ほどではなくなってきた。夫に余り期待しないほうがいいかもね、と伝える。

 夕方ごろ、IVFの結果をふと考えただけで居たたまれないくらいストレスで家にいる気も起きず、夫とステーキを食べに。12oz(340g)のステーキを平らげたらすっかり眠くなってプロジェステロン注射を8時に済ませた後、8時半にはベッドで寝てしまった。単純というか。

September 21, 2007 (Day 49)
 どうにもこうにもIVFの結果の事が気になって頭を離れない。
 ネットのコミュニティを覗いて他の人がこの2週間をどう過ごしているのかチェックしてしまう。その中でちょっと興味深いウェブサイトが紹介されていたので是非。
 Visible Embryo Home Page(英語)
 受精卵から着床して赤ちゃんになるまでが日付と共に精緻なグラフィックで分かりやすく表示。

 本当に今回の結果に激しくobsessしているのは自分でもよく分かっている。するべきなのかどうか分からないけれどcheating、事前に妊娠検査薬を使うことを考えてしまっている。性質の悪いことに家には買いだめしておいた妊娠検査薬が山ほどある。感度は20IUで市販のものよりやや良い。(市販のもので生理予定日の5日前から検査できるものはは25IU-50IU。ちなみにアメリカで市販されている妊娠検査薬に関する参考サイト(英語))
 結果は知りたいけれど、今までのように簡単に踏み出せない。
 どうしよう、どうしよう、どうしようーーー。

 
September 22, 2007 (Day 50)
 実は数時間前に夫と衝動的に妊娠検査薬をした。以前ここにも書いた、20IUのもので、排卵日から6-10日間以後に検査できるという、市販の"5 days before..."ものよりはややsensitiveなもの。ちなみにERを排卵日と考えるならば、11日目。市販のもので反応が出てもそろそろおかしくない時期。

 結果はネガティブ。
 しばらく夫と二人、トイレで呆然としてしまった。今はベッドで夫も私も一通り泣いて少し落ち着いたところ。あの胚盤胞たちはどこへ行ってしまったのだろう、とか今まで全てがトントンで調子よく行っていたのにどうして、とか自分達の何がダメなんだろう、とか、もしこの先もダメだったら、とか色々な思いがぐるぐると錯綜する。私がひとしきり泣き終わった後、夫は繰り返し、何で自分達はダメなんだろう、と泣き始めていた。
 本当だったら水曜日の血液検査まで望みは捨てるべきじゃないのだろうけれど(生活自体は血液検査の結果が出るまでは現状維持します。)、期待をした時の落胆が本当に辛くて怖いのだ。もうこれで高いところから一気に落とされるショックを心配しなくていいのかもしれない、とぼんやりそんな気がしています。

 何だかとても沈んでしまった週末だけれども、何か食べに行ったりして気を取り直したほうがいいのかもしれないですね。引き続き、皆さんのIVFがうまく行くことをお祈りしています。

September 23, 2007 (Day 51)
 昨晩はその後、空しい気持ちで一応プロジェステロン注射をし、Nashvilleまで食事をしに出かける。今回のIVFの結果のことが頭を離れることはなかったけれど、メイクをしてハイヒールを履いて外に出るのは良かったと思う。
 思ったよりも自分が落ち着いていることに少しびっくりしたけれど、少しでも会話が途切れるとどうしても重たい気持ちが波のように寄せてきて辛くなってしまう。
 それでも夜のNashvilleのダウンタウンを二人で散歩したのは少し気持ちを新鮮にすることが出来た。

 単純に今回の失敗が堪えたのも確かなのだけれど、色々な思いが錯綜して落胆している。不妊治療に行き着くまで、自分達は五体満足、精神的にも健康で何も問題はないと思っていたのに、度重なる落胆でその自信もなくなってきた。
 精神的にも「普通に妊娠できる」マジョリティの人たちと付き合うのが辛いことが多くなってきた。屈折せずにはいられない自分が不健康に思え、一番嫌だった。恐らく悪気もないだろう一言一言にピリピリ過剰反応して、何で自分はこんなに変わってしまったのだろう、と切なくてそれだけで涙が出たことも何度もあった。この思いはいつまで続くのだろう、と思うと心の底から今回の結果に改めて悲しく思えた。

 夜中に目が覚めてパソコンを開いたら涙がとまらず、寝付けなくなってしまった。水を飲みにリビングに行くと犬達が起きだしてきて不安そうな顔でこちらを伺っている。そういえば、私達が最初に陰性を知って打ちのめされていた時に、犬達がドアの前にぴったり張り付いてこちらをうかがっていたと夫が言っていたっけ。夫と犬部屋(主寝室に犬は入れないので)で犬達を抱いていたら少しリラックスして眠気が戻ってきた。

///////////////////////////////////////

 今日23日ですが。
 気分は大分落ち着いてきましたが、やはり頭から離れることはありません。ちょっと気を抜くとやはり涙が出てきます。
夫は今日で休暇が終わり、明日から仕事。彼は本当に優しくしてくれます。あと又1週間もせずに1ヶ月ほどいなくなってしまうのだけれど。
 結婚して半年そこそこでイラクに1年送られたかと思ったら、今度は不妊問題。それがどうなるかも分からないのに来年の頭から1年以上アフガニスタンに行ってしまう。夫の不在中グリーンカードの面接も、家を買うのも、会社を作ったのも全部一人で出来たけれど、精神的にIVFだけは一人で出来ないなあと思う。ここまで来れたのも、感情の波の一番大きいところを何とか超えたのも彼がいたからだと思う。

 気分を切り替えて、なるべく次の凍結胚盤胞でのサイクルへと目を向けるようにしている。もし続けて次サイクルに入れるのならば、今度は本当に一人で。でも、アフガニスタン派兵まで後少し。それまでにはせめて。

 次サイクル以降があると考えると、一番のネックは今のところ費用。私のバイクCBR600RRも売らねばなるまい。余り書くと暑苦しいので割愛しますが、バイクはとてもパーソナルなものなので非常に愛着がある。多少自分なりにカスタムしたところもあり、それはひとしお。ただ、妊娠して乗るわけにも行かないので遅かれ早かれこうなったのかも知れないけれど、こんな事情で別れる事になるなんて非常に辛い。
 
 インターネットでのIVFフォーラムにどっぷりハマっていたのだけど(Dealing with a negativeなどのフォーラムがある)、改めて非常に興味深いなあと思うことが多々あり。日本とはプロトコルが違うので、比較しづらいのもあり、基本的にアメリカのフォーラムに入り浸っていたのだけど、彼女達が同じように悩んだり、喜んだりしている様に非常に共感を覚える。やはりはっきりとモノをいう辺りは日本人と感覚が違うなあと感じる。rant(愚痴話)になると、変に体裁をつくろっていい子ぶってお茶を濁さず、『自分の職場で自分の境遇を知っていながら、こういった失礼なことを言われた、あの女はビッチ!』だの。かと思うと非常に丁寧な言葉で思いやりを見せていたりもする。その辺りが興味深い。

 まだ下腹部痛が時折ある。この下腹部痛でさえいいサインなのではないかと心躍らせたのが数日前だなんて考えられないけれど、何とか気持ちを前向きに持っていこうと思う。あーあ、そろそろ注射の時間だ。これがいやだな。
September 24, 2007 (Day 52)
 軍人家庭の朝は早い。夫の仕事が始まったので今朝から5時起床。朝日が昇るのを眺めながら犬を散歩しているとすごく気持ちがいい。ここのところ後ろ向きがちだった気持ちが薄れ、気分がリラックスし、次に進もうというポジティブな力が湧いてくるような気がする。

 又、無邪気に期待しすぎないようにしてはいるけれど、心のどこかで水曜日にミラクルがおきて欲しいという希望もある。結果がどちらに転んだとしても、まだまだこれから。こうして傷ついているのは私だけではないし、乗り越えている人も沢山いる。私にはここの掲示板で励ましてくれる人もいる。

 週末はすっかりやさぐれていたので荒れ放題になってしまっていた家の中を片付け、洗濯物を片付ける。

 夕方ごろ、夫から今日は家族も出席しなくてはいけない軍のミーティングあると言われたので出る。何かと思ったら来年のアフガニスタン派兵に関するクラスだった。派兵の時期は元々の予定よりもやや早まって3月半ばになるとか。その他、POA(委任状)、遺言状、法律に関する話など。基本的に夫に何かあったら、という万一の時の話ばかりだったので折角ポジティブになった気持ちに水を差されたような気に。
 気を取り直して、夫と派兵前の長期休暇に一緒に日本に行って、精子のストックを作ってこようか?と話してみたりもする。

 掲示板で優しい声を私にかけてくれたRubyさん、みどりさん、かおりさん、本当にありがとう。見守っていてくれた人もありがとう。私は元気です。(今週のPower Ballも買ったし!)
September 25, 2007 (Day 53)
 気づけば明日が妊娠検査日。本来だったら今頃ドキドキして今晩は眠れないほど興奮していたはずなのだろうけれど、もう結果は陰性と分かっているので、血液検査を受けにナッシュビルまでわざわざ往復2時間かけて行くのは面倒だなあとか、200ドルほどの結果の分かっている血液検査をわざわざ受けるのはお金勿体ないなあ、などとどうもモチベーション低め。

 夫とfake hope(起こるはずのないことに望みを持ってしまうこと)は辛いねえと話しながら、それでも明日、ヴォイスメールのメッセージで言われるだろう「残念だけど・・・」のフレーズを改めて耳にすればダメ押しでやはり辛い気持ちにはなるだろうということで、極力ショックを弱めるために心の中でイメージトレーニングしてみたりして。やはり小心者の私。

 ちなみに体調は普段と全く変わりなし。胸もすっかり普通どおりで張りも痛みもなくなってしまった。今生理が来ないのはプロジェステロンのせいで、打ち終わったら来るのだろうか。

 気持ちはすっかり次サイクルに動いている。色々と読むとホルモン値などを測定して連続して凍結サイクルに移行できるかどうか決めるらしい。又IVFのやりなおしということで、先の予定が・・・と一瞬よぎったが、極力次回はもう少しIVFに縛られ過ぎないで行ってみようかと考えている。
 夫もまた来週からいなくなるので、オペラやミュージカルに行くのもいいな。レジュメも再度リライトして、就職活動もしたい。又水泳にも戻れるので、後数ポンドくらいは体重を落とすのに挑戦してもいいかもしれない。
 何だかちょっとやる気出てきましたよ。
September 26, 2007 (Day 54)
 もうダメだと分かっているのにどこか期待しているのか、ダメ出し通告をされるのが分からないのですが、とても緊張しています。
 前に妄想した予定では、ちゃんと陽性が出て、ナースに「今日は確認に来たの」なんていうつもりだったんですけれど、うーん。

 はー、激しい雷雨まで降ってきました。道のコンディションが悪くなると思うので今日は早めに行って来ます、では。

///////////////

 戻ってきました。今日は疲れた顔と服でナースに「ダメでした・・・。」と言うのは避けたいと思っていたので一番お気に入りのワンピースとメイクを入念に。
 やっぱりcheatしてnegativeだった、とナースに伝えると、そうなんじゃないかと彼女も思っていたらしい。長くいるので顔を見ただけでcheatしたのか、結果がどうだったのか分かるそうだ。
 その後、Laurenに会って今後の予定などを確認する。妊娠検査薬は50IUくらいで反応するものが多いから気にしなくていいのよ、と言われた後、実は20IUの検査薬で・・・と言い出すと彼女も微妙な表情に。最初の検査で6IUでも出産した人もいるから〜等など説明を受ける。彼女も血液検査のナースと同じくcross fingerしえいるからポジティブな気持ちではいてね、と言われる。

 分かっているはずなのにとてもドキドキしながら電話を待つ。午後4時過ぎに電話。Laurenの声がなんともいえず、微妙。「分かってます。ネガティブだったんですよね?」と切り出すと、私のhCGは9とのこと。数値上は陽性だけど(2以上が着床したとみなされるため)、統計上余り期待しすぎないようにしてね、と言われる。早い話がいわゆる超初期流産、化学的流産と呼ばれるものに終わる可能性が非常に高いようだ。念のため、金曜日に再度検査をして様子を見ましょう、とのこと。
 (ちなみに今回の移植時の子宮内膜の厚さが11.8mmだと聞く。又、冷凍された3個の胚盤胞のクオリティーもいいらしい。)

 電話をもらった直後に妊娠検査薬を試してみたところ、全くの陰性。うっすらとした線すら見えない。
まだ頑張っているかもしれない卵たちには是非何とか頑張って欲しいものの、正直可能性はほとんど期待できないのも事実。しかし着床したのではないか、という可能性は今後に少し望みが持てるという事でもある。
 すごく複雑。こんなときはどんな顔をすればいいのか分からない。
September 27, 2007 (Day 55)
 昨日より今日の方が少し落ち着いたせいか、更に微妙な気持ちに。陰性といえないから陽性、といったほうが適切な数値だけど、まだ卵たちは自分の中にいるわけで、着床までしてくれた。まだ生きている可能性もある。それなのにほぼ無理ってどう反応していいのか本当に分からない。卵たちは今は陰性です、とすっぱり言われるより感情的には生殺しのような気持ちで辛い。

 ネットのリソースで見る限り、一般的にhCGレベルが初期で低いと正常な妊娠になりづらく、大抵は流産に終わってしまうらしい。9、なんてどう反応していいのかすら分からない。気づくと低いhCGレベルから正常妊娠まで進んで、通常出産した話はないのか漁ってしまう。もちろん20くらいの話なら見つけたものの、9なんてどこにもない。

 昨日は何であんなに落ち着いていられたのか分からない。今、生きているのかもしれないのに、流産、という言葉が頭をひたすらぐるぐる回って、心もうつろ、少しでも気が抜くと涙が止まらない。

 夫が感謝祭あたりで長期の休みが取れそうなので、日本で採精して、アフガニスタンに派兵中、日本でも治療が出来るようにしようか、などと話をする。二人分の旅費、滞在費、又私が戻って治療する際の旅費などなど、ざっと計算してみたのだけれど、金額的には余り大差ないことが分かってがっかりする。
September 28, 2007 (Day 56)
(すみません、昨日アップロードされていると思ったらされていないようでした。)

 今朝も起きるなり悲しくなって泣き出してしまう。朝食を食べながらも涙が止まらない。普通、陽性反応が出て2度目のhCG検査だったらナーバスではあるものの、陽性の喜びを感じて希望にあふれているのではないだろうか。片や自分は期待も出来ないのに行かなければならないなんて。
 今日も前回に続き、ちょっと気合の入った服装で病院まで向かう。少しでも気分が和めば、と日本のCDをかけてみるものの、全く耳に入らず、空虚なまま。車中で何度も泣きそうになっては、マスカラを持ってこなかったのだからと言い聞かせて涙をこらえてみる。

 採血担当のナースも前回の9という数字を見て非常に微妙な表情。「これって逆に残酷ですよね」と言ってみたのだけれど、普段だったらそんなことないわよ!と笑って返されそうなものの、今日は、「そうね・・・」とうつむき勝ち。

 帰りも心ここにあらずといった感じ。よく考えたらそんな状況で運転するなんて危ないのだけれど。家に帰ると仕事のはずの夫が家に戻ってきていた。私の様子が木偶の様であんまりだったので、職場の人に了解をもらって早退してきたらしい。私が泣いているから押さえてはいたけれど、彼もものすごく辛いと涙を流していた。

 2時ごろにLaurenから電話。11時半の採血でやけに早いな、と思う。金曜日だし彼女も辛い仕事は早めに済ましてしまいたいのだろうな、と察する。「ハロー」の声のトーンが彼女らしくない程テンションが高い。??
 「34よ!ああ、もう本当に私ドキドキしてきるのよ!」9だったから2倍としても20まで行けば恩の字だと思っていたのだけど34とは!(正常な妊娠の場合は48時間ごとにhCGが2倍、2倍に倍増していくので。)一瞬頭が真っ白になってoh my god! oh my god!しかいえない自分。再度月曜日に様子を見ましょうとのことで、電話を切る。まだ彼らが生きていたなんて! 
 2週間以上打ち続けて、殆どなくなりかけているいるプロジェステロンのリフィルを薬局に大急ぎでオーダーする。まだ暫くこの辛い筋肉注射を続けなければならないのは難儀だけれど、彼らのためだったら喜んでなんだってする。

 喜んでいたのもつかの間、夕方ごろトイレに行ったらうっすらと軽いピンクのspottingが。一気に突き落とされる。どうしよう。病院は閉まっているし、恐らく彼らも何も出来ないだろう。月曜日まで待つしかないのか。
 今日一日で夫婦ともども感情がローラーコースターのようにめまぐるしい。

 他のウェブサイトから、この時点でhCGが50に達していない場合、正常に出産できる確立は35%以下と目にする。そもそも他の人は第一報の時点で50-100以上は行っているだろう。確かに9と聞いた時点で正常な妊娠ではなかったのは頭では本当によく分かっている。でも人間って貪欲だ。1つのゴールが満たされたら、次、次、って願わずにはいられない。
 きっと今私が彼らに出来ることはリラックスして月曜日を待つことくらいだろう。以前IVFは一つ一つのプロセスを正しくクリアして初めて次のステップに行けるというのが薄氷を踏む思い、なんて表現したような気がするが、私達の足元の氷は本当に薄いような気がする。
 今は彼らの生命力に期待するしかない。頑張ってくれますように!
September 29, 2007 (Day 57)
 一通りβhCG値(以下β)についてウェブで色々と見てまわる。気にはなるけどobsessし過ぎないようにしている。
 気になったベータに関するウェブサイトをいくつか。全て英語のものですが、それほどややこしいことを言っているわけではないのでおすすめです。

What is beta hCG?
週の数によるβ値など。

Beta hCG Doubling Time Calculator
でどれくらいの勢いで自分のβが増えているのか自動的に計算してくれる。

Betabase.info
他の人のβ値などを見ることが出来る。週数によって最小値や最大値、平均値なども。

IVF Connections Bulletin Boards>Beta Board
IVF Connections(要登録)のコミュニティの一つ。βについて、現在進行形の人や、無事出産した人などが交流。色々と生の情報も得られる。

 ちょっとβが跳ね上がったのを知ってしまったせいで、この妊娠についてつい過剰な期待をしてしまう。そうだ、私妊娠したのだ。全く実感が湧かない。余りに低いβ値でいつまで継続してくれるのかもまだまだ未知数なのもあるけれど、別に妊娠症状が何か目立ってあるわけでもないし。
 ちなみにこの何もないっぷりはつわりなどの妊娠症状の重さはこのβ値と比例すると言われている事と関係があるせいなのか。朝起きると何だか気分がぐったりしてちょっとムカムカするけど、そんなに「うっ」とか言うほどではない。胸(乳首)がたまに痛くなったりするけれど、それもごく稀にだ。こんな事は毎回生理前に妊娠を期待する余り毎回あったことなので全く持って当てにならない。

 spottingは断続的に続いている。相変わらず薄いピンク色。下着につくほどの量ではなく、トイレで拭くと紙に大体うっすらとついている、といった程度。

September 30, 2007 (Day 58)
 先日までうっすらピンク程度の出血が、今日ははっきりとした生理の血の様な鮮血。量もやや多い。先日かおりさん が茶色だったら大丈夫、と言っていたけどどうやら大丈夫じゃなさそうだ。どうしよう、どうしよう。
 恐ろしく無気力になり、涙が出てくる。

///////////////////////

 その後、いきなり眠気が襲ってきてカウチで小一時間ほど昼寝をする。目が覚めたら少しポジティブな気持ちになってきた。結局この時期はなるようにしかならないのだ。せめて心穏やかな方が後々いいに決まっている、ふいにそう思えたのだ。
 お昼過ぎから取引先銀行の新店舗のオープニング・パーティーに招待されていたのを思い出す。せめて少しはドレスアップして気持ちが下向きになることだけは防げるかもしれないし(カウチにへたり込んでインターネットで色々と調べては泣き暮らすのがオチだ)、何よりも会社を作った際にものすごく良くしてくれたマネージャーに夫を見せる約束をしたんだっけ。などと色々あって、出かける。
 マネージャーの女性にCross fingerしているわ、と堅いハグを受ける。日本で銀行の担当者とハグするとか有り得ないだろうなあとふと思ったりした。良くも悪くもここは南部の田舎街。
 帰りがけに夫と遅いランチを取りに近くにオープンしたコリアン・レストランに行く。夫とレストランビジネスってどうだろうねえ、という話などをうだうだとする。気分がupsetして何も食べられないと思っていたのだけど、夫が頼んでくれたカルビ・スープはさっぱりと澄んだもので、ご飯を中に入れておじやのように食べるのだけど、するすると入った。
 やっぱり外に出てよかった。
 気持ちが大分ポジティブになったせいか、トイレ・風呂掃除なども一気に片付けてしまう。もし明日の結果で沈んでしまった時に荒れたバスルーム更に気分がすさみそうだ。

 相変わらずspottingは続いている。量が増えた、と言っても生理用ナプキンをあてるほどではない。トイレで拭いた時にペーパーに必ず着いている、といったところだ。トイレに行くのがすっかり怖くなってしまったし、紙を見るのも嫌だけど、どうしても目が行ってしまう。

 先日に引き続き妊娠した!と言う感覚が全くない。自覚症状も微妙だ。朝起きると気分がかすかに悪いとかそんな程度で「気のせい」と言えば片付けられてしまいそうなものばかり。
 
October 01, 2007 (Day 59)
 もう10月。なんて早いんだ。

 義理の妹からメールが来ていてびっくりする。
 実は心拍確認までは心配させたくないので、今回の結果は親戚家族には言わないでおこうと思っていたのだけど、彼女は毎日この日記を読んでいてくれたらしい。出血して動揺している私に、彼女自身も大出血して非常に動揺し、入院したた経験がある、と綴って来てくれたのだ。
 思い出せば、一番最初の日記は彼女への複雑な思い、嫉妬で始めたのに、それでも読んでくれていたなんてとても嬉しい。彼女の応援メールに過去の自分が申し訳ないと思うと同時にとても元気付けられた。


 本来先週の金曜日(9月28日)に夫の昇進に関する簡単なセレモニーがあるから基地に来いといわれていたのだけれど、キャンセルになっていた。今日月曜日(10月1日)に変更になったから急遽来るようにと言われたのだけど、書類の不備なのか何なのか原因が分からずキャンセル。
 セレモニーと言っても同じ隊の人たちが見守る中で、配偶者(私ですね)が彼の制服についている古い階級章を取り、新しいものに付け替える、というもの。

 中止になるまで何だかんだと待たされたのだけど、他にも同じようにセレモニー待ちの奥さんがいて、色々と雑談する。雑談しながらも気はそぞろ。これから受けに行く3度目のβhCGの事で頭がいっぱいな失礼な私。今日、私の夫の分はキャンセルになったと分かった時点で、病院に行くので失礼させていただいたのだけど、突然「いい結果が出るといいわね」と声をかけられる。そうか、彼女も知っていたのか。考えてみれば夫が金曜日に早退しているし、皆知っていたのだ。

 相変わらず車中で頭はそぞろ。今日は採血担当のナースが前回の結果を見て、miracleって起こるのよ!でもまだまだ低いからcross fingersしておくわね、と言われた。私のIVFナースのLaurenが丁度通りかかったので、spottingのことを話してみたのだけど、金曜日に始まってまだ続いている、といったら少し微妙な表情になった。とりあえず、今日のβの数字を待ちましょう、ということに。

 いつもだったらNashville帰りはモールによって、買い物をしたり、色々眺めたりして気を紛らわすのだけど、ドキドキするせいか、どうにもこうにもそんな気になれないので直帰する。Moment of truth待ち。spottingは相変わらずで、見慣れてしまったけれど、今は待つしか出来ない。


///////////////////////////////

 前回のいい知らせはすぐに来たけれど(午後2時過ぎに電話あり)、今回は4時を回っても電話がない。自分から電話をかけるのはゲンが悪いような気がして、4時半まで待ってみようと思う。4時半、トイレに入っているときに電話あり。

 β、131あったそうです!
 βのテストはこれでひとまず終わり、後は2週間後に超音波の予約をとっておくとの事、spottingは現状では問題ないだろうとの事。Dr. Weitzmanもとても喜んでいたそうだ。

 本当にmiracleって起こるんだ!と思うととても嬉しい。
 本音を言うと、後2週間、何のチェックもなく過ごすなんてとても不安なのだけど。家でβが調べられたらいいのに。(家で妊娠検査スティックを使い続けることは出来るだろうけど値が分からないのが不満。)
October 02, 2007 (Day 60)
 一日たって、やっと実感が湧いてきた。先生が2週間後と言ったのだから、きっといい状況なのだろう。
 
 つわり(?)らしき症状もある。臭いが気になったり、朝起きると胃がムカムカしたり。かと言って食欲がないのかといえばそんなことは全くなく、普通に3食楽しんで食べられてる。午前中は何だか本調子が出ず、頭がビニール袋を被っているようなつかみどころのないunclearな状態と言うか何と言うか(分かりにくくてすみません。)
 如何せん、自分の思い込み想像妊娠に長らく浮き足立っては落ち込んできたクチなので、この症状も自分では信用できないところもあるのだけど。

 日本の父親に今回の陽性とコンディションなどを伝える。状況が状況なので本当だったら心拍確認をして少し安心をした状態で伝えようかと思っていたのだけれど、如何せん父もIVFをしていることは知っているので、あと2週間も黙っておくのも如何なものかと思ったので。

 夫のトレーニング出発日が1日早まって明日の夜からと言われる。予定が変わって色々と夫から頼まれごとをされる。
 夫は私のお腹に手を当てては"Grow! Stay there!"と彼らを励ましているらしい。
 
 夕食の後、例の妊娠検査薬が余っていたので、夫が出発する前に一緒に初めてのDouble Linesを見ようと思い、試して見る。どういうこと?と思うと同時に又出血が始まった。先日あった生理っぽい出血。血の色は赤で、生理が始まった時の様子にすごく似ている。今まではナプキンは必要じゃなかったけれど、明らかに必要みたい。

 出血にもがっかりしたけれど妊娠検査薬の結果にもがっかりしてしまった。先日hCG値を計測した後に何かあったのだろうか?妊娠検査薬の使いかたが間違っていた?それともオンラインで買った妊娠検査薬なので実はインチキだったり?混乱しつつ、夕食後なのに夫とスーパーに車を走らせ、First ResponseとE.P.Tの2種類を買ってみる。

 本来だったら朝一番の尿だと思うのだけれど、如何せん夜中に一度トイレで目が覚めてしまうので、打ち合わせどおり、夫も起こして夜中の2時ごろ、丑三つ時に紙コップに少しとった尿で検査してみる。FRもEPTもさっと陽性のラインが出て、ほっとする。オンラインで買った例の検査薬は中々変わらなかったけれど、時間が経ってやっと陽性のラインがうっすらと出る。何だそれ!

 初めて見た陽性のラインに興奮したのと出血と腹痛が気になってその後、暫く眠れなくなる。ベッドルームがどうも息苦しく、暑く感じられたので、リビングのカウチで横になる。2時間半ほどしてようやく眠気が襲ってくる。
<< Sep03(Day31)-Sep17(Day45) Oct03(Day61)-Oct12(Day70)>>